愛すべき私のヒーロー 野茂英雄

私は野茂英雄が大好きだ。


引退した今でも、彼の勇姿は鮮明に記憶している。

プレイする姿もさることながら、グラウンドを離れた彼の言葉や行動に胸を打たれることが多い。

 

私は少年時代、幸運にも近鉄バッファローズの本拠地である藤井寺球場の近所に住んでいた。
鳴り物入りで入団してきた野茂英雄が、見たこともないフォームから繰り出す剛球とフォークボールで、三振の山を築く姿に私は酔いしれた。

地元球団のエースピッチャーが「憧れの選手 野茂英雄」であることを想像してみてほしい。私の胸の高鳴りを想像してほしい。
 

球場で野茂のサイン色紙を買ったことがある。
ワクワクしながら手に取ったサイン色紙に私は驚いた。

色紙の真ん中に「のも」とひらがなで書かれてあるサインだった。

スターのサインとは、もっとグチャグチャっと解読できない位に文字を崩したものだと思い込んでいた私は、あまりにシンプルで大胆な彼のサインに衝撃を受けたのだ。

家に帰るとあまりのシンプルさに家族は「ニセモノを買わされたんじゃないの?」と疑いをかけていたが(笑)、私はこれこそが彼自身のものであると確信していた。

そして、彼の野球スタイルや生き方を象徴するようなサインを見て、私はますます野茂ファンになってしまった。

 

 

近鉄時代の野茂は、とにかく「剛球」という言葉がピッタリくる印象があった。

スピードガン以上の球威を感じるストレートと、ボール球でも手が出てしまうような落差のあるフォークボール。
とにかく、まっすぐとフォークで押しまくるというスタイルに私は小躍りしていた。四球が多かろうとも、バッターをねじ伏せるように三振を築いていく。それもあの見たこともないようなフォームで・・・。まるで漫画の世界ではないか!!

 

インタビュー記事で知ったことだが、彼は社会人時代に先輩にフォークを教えてもらったという。本人曰く、プロにいけるとは思ってもいなかったらしい。

社会人という時間の中で、彼は埋もれていた自分の能力に磨きをかけることが出来た。

それでこそ、現役中から社会人野球のバックアップに情熱をもってとりくんでいるのだろう。今の自分があるのは社会人という環境があったからこそであり、経済的事情から野球部が廃止になっていく流れを見て、彼は放っておけなかったのだという。

「若い選手には失敗する場が必要だ」こういった思いが強いのだと思う。

感謝を忘れない彼の人間性と、野球への愛情が「NOMOベースボールクラブ」を創ったといえる。

 

彼は一見無口で無愛想な印象があるが、情熱を秘め、温かく素直な人間性を持っていると私は思う。そしてとても聡明な人間でもある。

 

フォークボールを身につけた理由について、「人間の目は横についているから、縦の変化にはついていきにくい」と、スポーツライターの人に答えたことがあったそうだ。とてもシンプルだが合理的な答えだ。

 

彼の合理的で聡明な面は、メジャーリーグでの活躍を見れば一層明らかになる。

新人王、奪三振王、二度のノーヒットノーラン、日米通算200勝達成など、数多くの華々しい記録を打ち立てているが、それらは、一試合一試合、一球一球の積み重ねである。

 

 

彼はよく「キャッチャーの指示通りに投げた」「低めにボールを集めた」「まっすぐが大切」とコメントしていた。

彼の投球スタイルの根幹はストレートとフォークであった。
野茂といえばフォークボールが有名だが、彼の生命線はストレートだった。ストレートに球威があればこそ、彼のフォークが活きてくる。球威のあるストレートを低めにコントロールされれば、なかなか長打は打てない。そこにフォークがあれば、バッターはさらにとまどう。
通常なら不利なように思える球種の少なさも、武器をピカピカに磨き上げ、使うべきタイミングで使うことで、有利な状況を作り出す。野茂もキャッチャーもそれをよく理解しあったからこそ、シンプルな球種を活かした配球ができたといえる。

 

野茂がメジャーリーグに挑戦するとき、多くの否定的な論調が流れた。

しかし、彼は自分の思いに素直に従い行動した。
私は野茂に対する風当たりを苦々しく思いながら、彼の活躍を信じていた。

彼にとっては年棒も大幅に下がり、まさしく一からのスタートだった。

それでも、彼は躍動した。誰もが想像できないほどの輝きを放った。

これまで否定的だった論調もどこ吹く風で、野茂の挑戦と飛躍をたたえるものに変わっていった。彼の行動が全てをひっくり返したのだ。私は論調のいいかげんさに嫌気がさすよりも、野茂英雄の凄さにただただ感服した。

 

 

当時ストライキによるベースボール離れが起こっていたアメリカでも、野茂はセンセーショナルな存在だった。日本だけではなく、アメリカの歴史においても彼はまぎれもなく輝きを放っている。


もちろん、野茂自身は、誰のためでもなく、自分自身のために行動しただけだろう。


しかし、人間は自分自身の夢を描き行動することによって、周りの人に素晴らしい気付きを与えることが可能になると私は思う。

自己犠牲でも他人を追い落とすことでもなく、自分自身を輝かせることが幸せのエネルギーを発することにつながるのだ。


夢を描き、行動し、大好きな野球を楽しむことができた野茂は、彼だけではない多くの人たちの心を揺さぶった。

 

シンプルであり本質をつかんでいる彼の言葉や行動には、圧倒的なスケールを感じる。

 

ただ、彼は彼らしく、自分の思うがまま行動したに過ぎないのだと思う。

 

夢を描き、行動することの素晴らしさを、彼の背中が教えてくれている。

もしも、現状に打ちひしがれ、夢や目標をあきらめたくなったとき、野茂英雄の背中を見てみてはいかがだろうか。

そこには、静かで素朴な中にも、情熱の炎が感じ取れるだろう。




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 竹本 友重

(たけもと ともしげ)

大阪生まれの作家・治療家として情報発信中。

歴史・東洋医学・東洋思想などを探求した著書を複数出版。

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